起業したばかりの小規模法人の場合、経営者が経理を兼務することも少なくありません。初めての経理、会計業務では煩雑な作業に加え、専門用語の多さに悩まされることもあるでしょう。
経理の語源は「経営管理」とも言われています。この記事では日常の経理・会計業務や、不安が多い初めての決算時に、知っておくべき用語をまとめました。日々の経営管理にお役立てください。
経理や会計に関する用語集
経理や会計、決算業務で、よく使用される用語について簡潔な言葉でまとめました。関連する記事もご紹介しているため、ぜひ併せてご覧ください。
あ行
青色申告(あおいろしんこく)
事前に「青色申告承認申請書」を税務署に提出することで、要件として一定の帳簿書類を備付けることの代わりに、節税に役立つさまざまな特典を受けられる。
法人の場合は、欠損金の繰越控除や欠損金の繰戻還付や少額減価償却資産特例などの特典があり、個人事業主の場合は、最大65万円の特別控除が受けられるなどの特典がある。
売上(うりあげ)
企業の事業活動で得られる収益の総額のこと。商品やサービスを提供することで得られる対価。
売上原価(うりあげげんか)
仕入や製造にかかった費用のこと。
売掛金(うりかけきん)
取引先に販売した商品やサービスの代金を、後から請求し支払いを受ける権利。売掛債権とも言う。
か行
買掛金(かいかけきん)
売掛金の対語。掛け取引により原材料や商品を仕入れた場合に、後から代金を支払わなければならない義務のこと。
会議費(かいぎひ)
業務に関連する打ち合わせなどに関して発生する費用。
確定申告(かくていしんこく)
決算日に算出された決算内容をもとに、法人では2か月以内に税務署に納税する必要がある。概して「申告」ともいう。1年間の所得に対する納税額を計算して申告し、納税する一連の手続きのこと。
課税事業者(かぜいじぎょうしゃ)
消費税の納税義務がある事業者のこと。
株主資本等変動計算書(かぶぬししほんとうへんどうけいさんしょ)
貸借対照表の純資産の部の一会計期間における変動額のうち、主として、株主に帰属する部分である株主資本の各項目の変動事由を報告するために作成される決算書。
科目明細書(かもくめいさいしょ)
法人税申告の際に添付する書類の1つ。 賃借対照表や損益計算書の勘定科目の内訳を示した決算書類のこと。
借入金(かりいれきん)
会社が銀行などの金融機関から資金調達を行って借り入れた資金。
勘定科目(かんじょうかもく)
会社の取引による資産・負債・資本の増減、および費用・収益の発生について、わかりやすく記録するために必要な分類項目の総称。
キャッシュフロー計算書(きゃっしゅふろーけいさんしょ)
現金流量表とも呼ばれる。財務諸表の1つで、一定の会計期間内にどれだけの現金・預金が増減したかを表すもの。
経費精算(けいひせいさん)
会社の業務に関係する活動にかかった費用を領収書などの必要書類と引き換えに精算すること。
決算(けっさん)
事業年度における企業の「収益」「費用」「資産」「負債」などを計算して年間の損益をまとめ、書類を作成する一連の手続き。
決算報告書(決算書)(けっさんほうこくしょ)
一定期間内の経営成績や財務の状況などを明らかにするために作成する書類。正式名称は財務諸表。
原価(げんか)
販売品を仕入れたり作ったりするときにかかるコストのこと。
控除(こうじょ)
納税者の事情を考慮し、税金の負担の調整を目的として、税金の計算をする前に一定額を差し引くこと。
小口現金(こぐちげんきん)
通信費・消耗品費・交通費など少額の支払いに備えて、少額な取引のため、手もとに用意しておく現金。
さ行
財務三表(ざいむさんぴょう)
「賃借対照表」「損益計算書」「キャッシュフロー計算書」の総称。
資金(しきん)
もともと事業の元手となる金銭、経営のために使用される金銭。
資金繰り(しきんぐり)
企業の収入と支出を管理し、過不足を調整して将来的に資金不足に陥るのを避けるべく、適切に資金を確保すること。
事業概況書(じぎょうがいきょうしょ)
「事業内容・支店・子会社・海外取引・期末従業員数・PC利用・販売形態・経理・売上」など企業の概要について詳しく記載する書類。法人税確定申告書を提出する際には、「法人事業概況説明書」を添付する必要がある。
資産(しさん)
現金・商品・土地・建物・債権などの、会社が所有している財産。
試算表(しさんひょう)
一定期間に行われた取引の記録を集計した表。毎月作成することで会社の業績を確認することができる。
収益(しゅうえき)
会社に入ってくるお金のこと。
純資産(じゅんしさん)
資本金など、事業の元手になる資金。誰かに返済する義務がない会社の資産。
消費税(しょうひぜい)
商品やサービスなどの取引に対して加算される税のこと。いわゆる「間接税」と呼ばれる税金で、支払いを行うのは消費者だが、実際の納税は商品やサービスを提供した企業が行う。
消費税申告書(しょうひぜいしんこくしょ)
事業者が納めるべき消費税を計算して作成する確定申告書。
白色申告(しろいろしんこく)
確定申告での申告方法1つ。青色申告の届出をしない限り白色申告となる。税制上のメリットがないかわりに、帳簿作成が簡単な申告方法。
仕訳(しわけ)
簿記上の取引の内容を分類して、仕訳帳等に記入すること。
申告期限(しんこくきげん)
申告を行ってから実際に納税を行うまでの期限。
法人の場合はいずれの税も決算日の翌日から2か月以内、個人の場合は所得税は翌年3月15日まで、消費税は3月末までが納税の期限になる。
税務代理権限証書(ぜいむだいりけんげんしょうしょ)
税理士が納税者に代わって税務代理を行う場合に、税務署に対して提出すべき書類。
節税(せつぜい)
控除や非課税制度などを用いて、支払うべき税金を積極的に低く抑えること。
総勘定元帳(そうかんじょうもとちょう)
元帳とも呼ばれ、会社のすべての取引を勘定科目ごとに勘定口座に記載し、それらをまとめた会計帳簿のこと。
損益計算書(P/L)(そんえきけいさんしょ)
一定期間で得た、もしくは費やした金額(収益・費用・利益)の損益計算をまとめた、会社の経営状況を判断するうえで用いられる財務諸表の1つ。
た行
賃借対照表(B/S)(たいしゃくたいしょうひょう)
ある時点における会社が、どれだけの財産や権利を保有しているかを示した財務諸表の1つ。
地方税申告書(ちほうぜいしんこくしょ)
法人が地方公共団体に納める税額を申告する書類。
適格請求書(インボイス)(てきかくせいきゅうしょ)
インボイスとも呼ばれ、一定の事項を記載した請求書や納品書などの書類を指す。売手が買手に対して、正確な適用税率や消費税額等を伝えるもの。
な行
泣き別れ(なきわかれ)
勘定科目や補助科目が複数あったときに、それぞれ別の勘定科目や補助科目で仕訳してしまうこと。そのため、結局いくらの費用がかかっているのか不明だったり、消込ができなくなる。
年末調整(ねんまつちょうせい)
会社が従業員に支払った給料や賞与から源泉徴収した税額の年間の合計額と、本来徴収するべき所得税の1年間の総額を再計算し、過不足金額を調整して年税額を一致させる精算の手続き。
は行
費用(ひよう)
仕入高、外注費、販管費など、事業を行うために使った金額のこと。
負債(ふさい)
買掛金や借入金など、返済の義務がある現金や物。
法人住民税(ほうじんじゅうみんぜい)
都道府県や市町村がその地域に所属する法人に課す税金。
法人事業税(ほうじんじぎょうぜい)
法人が事業で使用する公共サービスや公共施設(道路や港湾・消防・警察など)の維持費や経費を、法人が一部負担すべきであるとして課される税金。
法人税(ほうじんぜい)
法人の年間の所得に課される税金。
法人税申告書(ほうじんしんこくしょ)
株式会社や合同会社などの法人が事業で得た各年度の所得に対して課せられる「法人税」を申告する書類。
法定調書(ほうていちょうしょ)
所得税法や相続税法上などでの規定により、税務署へ提出することが定められている資料のこと。
ま行
免税事業者(めんぜいじぎょうしゃ)
消費税の申告や納付を免除されている事業者のこと。
や行
役員報酬(やくいんほうしゅう)
取締役や監査役などの役員に支払う報酬。一般的には、役員報酬は株主総会で決議される。
必要な会計用語を抑えておこう
経理・会計業務や決算にかかわる、知っておきたい用語をまとめました。用語を頭に入れておけば、日々の業務がスムーズになることは間違いないでしょう。
しかし、正しい節税をしたうえでの法人の確定申告は、用語を覚えるだけで大丈夫といえるほど簡単ではありません。法人決算オンラインでは、わからない用語も含め、初めての決算のかたでも、できるだけ不安を感じなくて済むようにサポートしています。
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